Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
橋本の達雄と小泉の実とが満洲で落合ったということは、話す正太にも、聞く三吉にも、言うに言われぬ思を与えた。つくづく二人は二大家族の家長達の運命を思った。
三吉は旅の話に移った。一週間ばかり家を離れたことを話した。山間の谿流の音にしばらく浮世を忘れた連の人達も、帰りの温泉宿では家の方の話で持切って、皆な妻子を案じながら帰って来たなどと話した。
古い港の町、燈台の見える海、奇異な女の風俗などのついた絵葉書が、そこへ取出された。三吉は思いついたように、微笑を浮べながら、
「どうです、向島へ一枚出してやろうじゃ有りませんか」
叔父の戯を、正太も興のあることに思った。彼は自分で小金の宛名を認めて、裏の白い燈台の傍には「御存じより」と書いた。この「御存じより」が三吉を笑わせた。彼も何か書いた。
三吉は立ちがけに、
「豊世さんが聞いたら苦い顔をすることだろうネ……」
こう言って復た笑った。
正太はヒドく元気が無かった。絵葉書を懐中にしながら階下へ降りて、名倉の老人の側を通った。三吉も、勝手の方で働いているお雪に言葉を掛けて置いて、甥と一緒に歩きに出た。
蔵つづきの間にある狭い路地を通り抜けて、二人は白壁の並んだところへ出た。