Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
お俊ちゃんの家なぞに対しては、よくあれまでに尽したよ。大抵の者ならイヤに成っちまう……」
豊世が貰い物だと言って、款待顔に羊羮なぞを切って来たので、二人は他の話に移った。
「ここまで来て、眺望の好い二階を見ないのも残念だ」という叔父を案内して、一寸豊世は楼梯を上った。何となく二階はガランとしていた。額だけ掛けてあった。三吉は川に向いた縁側の欄のところへ出てみた。
「豊世さん、顔色が悪いじゃ有りませんか。どうかしましたかネ」
「すこし……でも、この節は宅もよく家に居てくれますよ……何事も為ませんでも、家で御飯を食べてくれるのが私は何よりです……」
叔父と豊世とはこんな言葉を替しながら、薄く緑色に濁った水の流れて行くのを望んだ。豊世は愁わしげに立っていた。
「どうかしますと、私は……こう胸がキリキリと傷んで来まして……」
こう訴えるような豊世の顔をよく見て、間もなく三吉は正太の方へ引返した。
玄関の隅には、正太が意匠した翫具の空箱が沢山積重ねてあった。郷里から取寄せた橋本の薬の看板も立掛けてあった。復た逢う約束をして、三吉は甥に別れた。
「正太さんを褒めるのは貴方ばかりだ」