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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

こうお俊が言出した。三吉は部屋へ戻って、心地の好い雨を眺めながら、姪の話を聞いた。

お俊の言おうとすることは、彼女の若い、悲しい生涯を思わせるようなものであった。十六の年に親しい友に死別れて、それから墓畔のさまよいを楽むように成ったことや、ある時はこの世をあまり浅猿しく思って、死ということまで考えたが、母と妹のある為に思い直したこと、自分は苦労というものに逢いにこの世へ生れて来たのであろう、というようなことなぞが、この娘の口からきれぎれに出て来た。

「私は、どんなことがあっても、自分の性質だけは曲げたくないと思いますわ……でも、ヒネクレて了やしないか、とそればかり心配しているんですけれど……」

と言って、ややしばらく沈思した後で、

「しかし、私が今まで遭遇って来たことの中で、唯一つだけ叔父さんに話しましょうか」

こんなことを言出した。

お俊は、附添して、母より外にこの事件を知るものがないと言った。その口振で、三吉には、親戚の間に隠れた男女の関係ということだけ読めた。誰がこの娘に言い寄ろうとしたか、そんな心当りは少しも無かった。

「大抵叔父さんには解りましたろうネ」