Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
「へえ、お前達はそんな夢を見てるのかい」
と叔父は言おうとしたが、それを口には出さなかった。彼は幅の広い肩を動って、黙って自分の部屋の方へ行って了った。
夜が来た。
屋外は昼間のように明るい。燐のような光に誘われて、復た三吉は雑木林の方まで歩きに行きたく成った。お俊は叔父に連れられて行った。
やがて、三吉達が散歩から戻って来た頃は、最早遅かった。表の農家では戸を閉めて了った。往来には、大きな犬が幾つも寝そべって頭を持上げたり、耳を立てたりしていた。中には月あかりの中を馳出して行くのもあった。三吉は姪を庇護うようにして、その側を盗むように通った。表の門から入って、金目垣と窓との狭い間を庭の方へ抜けると、裏の女教師の家でも寝た。三吉の家の方へ向いた暗い窓は、眼のように閉じられていた。
深い静かな晩だ。射し入る月の光は、縁側のところへ腰掛けた三吉の膝を照らした。お俊は、従姉妹の側へ寝に行ったが、眼が冴えて了って眠られないと言って、白い寝衣のままで復た叔父の側へ来た。
急に犬の群が竹の垣を潜って、庭の中へ突進して来た。互に囓合ったり、尻尾を振ったりして、植木の周囲を馳けずり廻って戯れた。