Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
復たお菊が亡くなった。僕は君、悲しいなんていうところを通越して、呆気に取られて了いました――まるで暴風にでも、自分の子供を浚って持って行かれたような――」
思わず三吉はこんなことを言出した。この郊外へ引移ってから、彼の家では初めての男の児が生れていた。種夫と言った。その乳呑児を年若な下婢に渡して置いて、やがてお雪も二人の話を聞きに来た。
「どんなにか叔母さんも御力落しでしょう」と正太はお雪の方へ向いて、慰め顔に、「郷里の母からも、その事を手紙に書いて寄しました」
「菊ちゃんが死んじゃったんでは、真実にツマリません」とお雪が答える。
「此頃は君、大変な婦人が僕の家へ舞込んで来ました」と三吉が言ってみた。「――切下げ髪にして、黒い袴を穿いてネ。突然入って来たかと思うと、説教を始めました。恐しい権幕でお雪を責めて行きましたッけ」
「大屋さんの御親類」とお雪も引取って、「その人が言うには、なんでも私の信心が足りないんですッて――ですから私の家には、こんなに不幸ばかり続くんですッて――この辺は、貴方、それは信心深い処なんですよ」こう正太に話し聞かせた。
不安な眼付をしながら、三吉は家の中を眺め廻した。