Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
友達がモルモットで、僕が医者だそうだ――」
正太は噴飯した。
「まあ、聞給え。考えて見ると、成程Sさんの言うことが真実だ。知らず知らず僕はその医者に成っていたんだネ。傍に立って、知ろう知ろうとして、観ていられて見給え――好い心地はしないや。何となくSさんが遠く成ったのは、始めて僕に解って来た……」
復た正太は笑った。
「しかし、正太さん、僕は唯――偶然に――そんな医者に成った訳でも無いんです。よく物を観よう、それで僕はもう一度この世の中を見直そうと掛ったんです。研究、研究でネ。これがそもそも他を苦しめたり、自分でも苦しんだりする原因なんです……しかし、君、人間は一度可恐しい目に逢着してみ給え、いろいろなことを考えるように成るよ……子供が死んでから、僕は研究なんてことにもそう重きを置かなく成った……」
明るい二階で、日あたりを描いた額の画の上に、日があたった。春蚕の済んだ後で、刈取られた桑畠に新芽の出たさま、林檎の影が庭にあるさまなど、玻璃越しに光った。お雪は階下から上って来た。
「父さん、障子が張れましたネ」
「その額を御覧、正太さんがああいう風に掛けて下すった」