Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
同じ山つづきの高原の上で、夏は人の集る場所である。
東京へ行った学生達はポツポツ帰省する頃のことであった。三吉の家へは、復たお福がやって来ていた。
丁度三吉も半日しか学校のない日で、外出する用意をして、炉辺で昼飯をやった。
「何処へ?」とお雪は給仕しながら尋ねてみた。
「曾根さんが来てるか行って見て来ようと思う」こう三吉は答えた。
「最早いらしったんでしょうか」とお雪は夫の顔を眺める。
「居るか居ないか解らんがね、まあ遊びがてら行って見て来る」
三吉が曾根を妻に紹介して、二人の女の間を結び付けようとしたのは、家庭の友として恥かしからぬ人と思ったからで。曾根は音楽に一生を托しているような婦人で、三吉が向いて行こうとする方面にも深く興味を有っていた。言わば、三吉には、自分を知ってくれる人の一人と思われた。この思想が彼を喜ばせた。
しかし、お雪はあまり喜ばないという風であった。三吉が曾根のことを言って、彼女の身内が悲惨な最期を遂げた時に、それを独りで仕末したという話をして、「どうして、お前なかなかシッカリモノだぜ」などと言って聞かせると、「その話を聞くのはこれで三度目です」