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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

こう言って、お雪は萎れた。

直樹とお福とは部屋の方で無心に口笛を吹きかわしていた。

その晩、三吉は直樹やお福を集めて、冷しい風の来るところで話相手に成った。

「さあ、三人でかわりばんこに一ツずつ話そうじゃ有りませんか」と直樹が言出した。「私が話したらば、その次にお福さん、それから兄さん」

「それじゃ泥棒廻りだわ」とお福が混反す。

「そんなら、兄さんから貴方」

「私は出来ません。話すことが無いんですもの」

こう若い人達が楽しそうに言い争った。雑談は何時の間にか骨牌の遊に変った。

「姉さんもお入りなさいよ」と直樹はお雪の方を見て勧めるように言った。

「私は止します」とお雪は子供の傍で横に成る。

「何故?」と直樹はツマラなさそうに。

「今夜は何だか心地が悪いんですもの――」と言って、お雪は小さな手をシャブっている子供の顔を眺めた。

無邪気な学生時代を思わせるような笑声が起った。「ああ、ツライなあ、運が悪いなあ」などと戯れて、直樹が手に持った札を数える若々しい声を聞くと、何時もお雪は噴飯さずにいられないのであるが、その晩は一緒に遊ぼうともしなかった。急にお房は反返って、鼻を鳴らしたり、足で蹴ったりした。