Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
奈何いたし候や。あるいは御許の心変りしやとも考え、斯くては定めし夫に対しても礼義崩れ、我儘なることもなきやと、日々心痛いたし居り候。御許ばかりは左様の事なきかとは思い居り候えども、人間の我儘はいずれにもあることなれば、実に安心の成らぬものに御座候。それにしても、御許にかぎりて、左様なことは有るまじくと存じ居り候。何につけ善悪とも御便り下されたく候。
――お福も最早学校も間近に相成り候。長々の間、定めて御心を懸け下され候ことと、ありがたく、父上ともども喜び居り候。
――就いては、先日より何か送りたくと存じながら、彼や是やにひかされて今日まで延引いたし、誠に不本意に御座候。只今小包便にて、乾塩引少々、鰹節五本、豆せんべい、松風いずれも少々、前掛一枚、右の品々めずらしくも無い物に御座候えども、御送り申上候。乾塩引は素人の俄か干しに候間、何分身は砕け、うまみも無く候。されど今は斯の品ばかりの時節に候。尤も、斯の品にて小なる物一本四十五銭に御座候。送り物に直段書などは可笑しく候。
――御話もいろいろ有之候えども、今日は之にて御免を願い上げ候。福子へも宜敷御伝え下されたく候。