Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

収穫の休暇が来た。農家の多忙しい時で、三吉が通う学校でも一週間ばかり休業した。

ある日、三吉は散歩から帰って来た。お雪は馳寄って、

「西さんが被入っしゃいましたよ」

と言いながら二枚の名刺を渡した。

「御出掛ですかッて、仰いましてね――それじゃ、出直しておいでなさるッて――」とお雪は附添した。

こういう侘しい棲居で、東京からの友人を迎えるというは、数えるほどしか無いことで有った。やがて、「お帰りでしたか」と訪れて来た覚えのある声からして、三吉には嬉しかった。

西は少壮な官吏であった。この人は、未だ大学へ入らない前から、三吉と往来して、中村という友達などと共に若々しい思想を取換した間柄である。久し振で顔を合せてみると、西は最早堂々たる紳士であった。

西が連れて来て三吉に紹介した洋服姿の人は、やはりこの地方に来ている新聞記者であった。B君と言った。奥の部屋では、めずらしく盛んな話声が起った。

西は三吉の方を見て、

「僕は君、B君なら疾から知っていたんだがネ、長野に来ていらっしゃるとは知らなかった……新聞社へ行って、S君を訪ねてみたのサ。すると、そこに居たのがB君じゃないか」