Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「ええ、つい隣に腰掛けるまで、西君とは思いませんでした」と記者も引取って、「それに苗字は変ってましょう、髭なぞが生えてる、見違えて了いましたネ。実は西君が来ると言いますから、S君などと散々悪口を利いて、どんな法学士が来るかなんて言っていました――来てみると西君でサ」
西も笑出した。「君、なかなか人が悪いんだよ……僕もね、今度県庁から頼まれてコオペレエションのことを話してくれと言うんで来たのサ。ところが君、酷いじゃないか。僕の来る前に、話しそうなことを皆な書いちまって、困らしてやれッて、相談していたんだとサ――油断が成らない――人の悪い連中が揃っているんだからね」
西は葉巻の灰を落しながら、粗末な部屋の内を見廻したり、こういう地方に来て引籠っている三吉の容子を眺めたりした。三年ばかり山の上で暮すうちに、三吉も余程田舎臭く成った。
「B君は寒いでしょう。御免蒙って外套を着給え」と西は背広を着た記者に言ってみて、自分でもすこし肩を動った。「どうも、寒い処だねえ――こんなじゃ有るまいと思った」
お雪はいそいそと茶を運んで来た。西は旅で読むつもりの書籍を取出して、それを三吉の前に置いて、