Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「旦那さん、お大根が縛れやしたから、釣るしておくんなすって」
と下婢が言った。この娘は、年に似合わないマセた口の利きようをして、ジロジロ人の顔を見るのが癖であった。
三吉は裏口へ出てみた。洗うものは洗い、縛るものは縛って、半分ばかりは乾かされる用意が出来ていた。彼は柿の樹の方から梯子を持って来て、それを土壁に立掛けた。それから、彼の力では漸く持上るような重い大根の繋いである繩を手に提げて、よろよろしながらその梯子を上った。お雪や下婢は笑って揺れる梯子を押えた。
「どうも、御無沙汰いたしやした」こう言って、お房の時に頼んだ産婆が復た通って来る頃――この「御無沙汰いたしやした」が、お雪の髪を結っていた女髪結を笑わせた――三吉は東京に居る兄の森彦から意外な消息に接した。
それは、長兄の実が復た復た入獄したことを知らせて寄したもので有った。その時に成って三吉も、度々実から打って寄したあの電報の意味を了解することが出来た。森彦からの手紙には、祖先の名誉も弟等の迷惑をも顧みられなかったことを掻口説くようにして、長兄にしてこの事あるはくれぐれも痛嘆の外は無い、と書いて寄した。