Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
お雪は笑って乳房を咬えさせる。すこし慣れるまで、他の方を向いていようなどと言って、お種も笑った。
「房ちゃんは幾歳に成るの?」とお種が手土産を取出しながら聞いた。
「伯母さんが何歳に成るッて」とお雪も言葉を添える。
「ね、房ちゃんがこれだけで、菊ちゃんがこれだけ」とお房は小さな掌を展げて、指を折って見せた。
「フウン――お前さんが五歳で、菊ちゃんが三歳――そう御悧好じゃ、御褒美を出さずば成るまい――菊ちゃんにも御土産が有りますよ」
「御土産! 御土産!」
と二人の子供は喜んで、踊って歩いた。
「御行儀を好くしないと伯母さんに笑われますよ。真実にイタズラで仕方が有りません」とお雪が言った。
親達の側にばかり寄っていたお房は、直に伯母の方に行った。そして、母に勧められて、無邪気な「亀さん」の歌なぞを聞かせた。
お房の小供らしい声には、聞いている伯母に取って、幼い時分のことまでも思わせるようなものが有った。
「これはウマいもんだ」とお種は左右に首を振った。「もう一つ伯母さんに歌って聞かせとくれ……何年振で伯母さんはそういう声を聞くか知れない……」
始めて弟の家を見るお種には、草葺の屋根の下もめずらしかった。