Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

障子の側は明るくて、物を解いたり縫ったりするに好かった。

「菊ちゃん、伯母さんにその写真を見せとくれ――伯母さんは未だよく拝見しないのが有った」

お種は子供が取出した幾枚かの写真を受取った。お雪が生家の方の人達の面影は順々に出て来た。

「お雪さん」とお種は勉の写真を取上げて、「この方がお福さんの旦那さんですか」

「ええ」

「三吉も、彼方で皆さんに御目に掛って来たそうですが……やはりこの方は名倉さんの御養子の訳ですネ。商人は何処か商人らしく撮れてますこと」

こう言ってお種は眺めた。

「菊ちゃん、そんなに写真を玩具にするんじゃ有りませんよ」

と母に叱られても、子供は聞入れなかった。お種は針仕事を一切にして、前掛を払いながら起立った。

「さあ、房ちゃんも菊ちゃんも、伯母さんと一緒にいらっしゃい――復た御城跡の方へ行って見て来ましょう」

お種は帯を〆直して、二人の子供を連れて出て行った。お雪の側には、そこに寝かしてあったお繁だけ残った。部屋の障子の開いたところから、何となく秋めいた空が見える。白いちぎれちぎれの雲が風に送られて通る。

「姉さんは?」と三吉が学校から帰って来て聞いた。