Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「散歩がてらオバコの実を採りにいらっしゃいました――子供を連れて」

「そんな物をどうするんかネ」

「髪の薬に成さるとかッて――煎じて附けると、光沢が出るんだそうです――なんでも、伊東の方で聞いてらしったんでしょう」

三吉は小倉の行燈袴を脱捨てて、濡縁のところへ足を投出した。

「それはそうと、姉さんは木曾の方へ子供を一人連れて行きたがってるんだが――どうだネ、繁ちゃんを遣ることにしては」

こんなことを夫が言出した。お雪は答えなかった。

「こう多勢じゃヤリキレない」と言って三吉はお繁の寝ている様子を眺めて、「姉さんに一人連れてって貰えば、吾儕の方でも大に助かるじゃないか……しきりに姉さんがそう言うんだ……」

「そんなことが出来るもんですか」とお雪は言葉に力を入れた。

三吉は嘆息して、「姉さんだっても寂しいんだろうサ……そりゃ、お前、正太さんには子供が無いから、あるいは長く傍に置きたいと言うかも知れないし、くれろと言うかも知れない。その時はその時サ。当分姉さんが繁ちゃんを借りて行って、育てて見たいと言うんだ。どうだネ、お前は――俺は一人位貸して遣っても可いと思うんだが」