Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「貴方は遣る気でも、私は遣りません――そんなことが出来るか出来ないか考えてみて下さい――」

「預けたって、お前、別に心配なことは無いぜ。姉さんのことだから必と大切にしてくれる」

「姉さんが何と仰っても――繁ちゃんは私の児です――」

姉が末の子供を郷里の方へ連れて行きたいという話は、三吉の方にあった。お雪は聞入れようともしなかった。

秋も深く成って、三吉の家ではめずらしく訪ねて来た正太を迎えた。正太は一寸上京した帰りがけに、汽車の順路を山の上の方へ取って、一夜を叔父の寓居で送ろうとして立寄ったのであった。

奥の部屋では客と主人の混り合った笑声が起った。お種は台所の方へ行ったり、吾子の側へ行ったりして、一つ処に沈着いていられないほど元気づいた。

「正太や――お前は母親さんを連れてってくれられる人かや」

「いや、今度は途中で用達の都合も有りますからネ――母親さんの御迎には、いずれ近いうちに嘉助をよこす積りです」

「そんなら、それで可いが、一寸お前の都合を聞いて見たのさ。何も今度に限ったことは無いで……」

三吉を前に置いて、橋本親子はこんな言葉を換した。漸くお種は帰郷の日が近づいたことを知った。