Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は少壮な孝子で、又可傷しい犠牲者であった。父の亡くなる頃は、彼も地方に居て、郡会議員、県会議員などに選ばれ、多くの尊敬を払われたものであったが、その後都会へ出て種々な事業に携るように成ってから、失敗の生涯ばかり続いた。製氷を手始めとして、後から後から大きな穴が開いた。

不図した身の蹉跌から、彼も入獄の苦痛を嘗めて来た人である。赤煉瓦の大きな門の前には、弟の宗蔵や三吉が迎えに来ていて、久し振で娑婆の空気を呼吸した時の心地は、未だ忘れられずにある。日光の渇……楽しい朝露……思わず嬉しさのあまりに、白い足袋跣足で草の中を飛び廻った。三吉がくれた巻煙草も一息に吸い尽した。千円くれると言ったら、誰かそれでも暗い処へ一日来る気は有るか、この評定が囚人の間で始まった時、一人として御免を蒙ると答えない者はなかった。その娑婆で、彼は新しい事業を経営しつつあるのである。

直樹の父親もまた同郷から出て来た事業家であった。この人と実兄弟とは、長い間、親戚のように往ったり来たりした。直樹の父親の旦那は、伝馬町の「大将」と言って、紺暖簾の影で采配を振るような人であったが、その「大将」