Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「よく来てくれた。私は兄貴の許へ手紙を遣って置いたが、名倉さんにもお目に懸らなくて失礼しました。今日は一つ、皆なに西洋料理でも御馳走しよう」こう森彦は言って、茶盆を取出して置いて手を鳴らした。
「何か御用で御座いますか」と宿の内儀が入って来た。
「ヤ、内儀さん、これが弟の嫁です」と森彦はお雪を紹介した。「時に、何か甘い菓子を取りに遣って下さい」
「では、僕も巻煙草を頼もう」と三吉が言った。
「三吉はえらく煙草を燻すように成ったナ」と森彦はすこし顔をシカめた。この兄は煙草も酒もやらなかった。
昼食には、四人で連立って旅舎を出た。森彦は弟達をある洋食屋の静かな二階へ案内した。そこで故郷の方に留守居する自分の家族の噂をした。
森彦にも遇わせた。三吉は更に、妻の友達にも、と思って、二人の婦人の知人を紹介しようとした。お雪も逢ってみたいと言う。で、順にそういう人達の家を訪問することにした。
暮れてから、三吉は曾根という家の方へお雪を連れて行った。
曾根は、お雪が学校時代の友達の叔母にあたる人で、姉の家族と一緒に暮していた。細長い陶器の火鉢を各自に出すのがこの家の習慣に成っていた。