Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
土を掘ってみると、可成大きな可愛らしいやつが幾個となく出て来た。
「ホウ、ホウ」
と三吉は喜んで眺めた。
裏の流で取れただけの馬鈴薯を洗って、三吉は台所の方へ持って行って見せた。お雪もめずらしそうに眺めた。新薯は塩茹にして、食卓の上に置かれた。家のものはその周囲に集って、自分達の手で造ったものを楽しそうに食ったり、茶を飲んだりした。
その晩、三吉はお福や書生を奥の部屋へ呼んで、骨牌の相手に成った。黄ばんだ洋燈の光は女王だの兵卒だのの像を面白そうに映して見せた。お福はよく勝つ方で、兄や若い書生には負けずに争った。お雪も暫時仲間入をしたが、やがてすこし頭が痛いと言って、その席を離れた。
炉辺の洋燈は寂しそうに照していた。何となくお雪は身体が倦くもあった。毎月あるべき筈のものも無かった。尤も、さ程気に留めてはいなかったので、炉辺で独り横に成ってみた。
奥の部屋では楽しい笑声が起った。一勝負済んだと見えた。復た骨牌が始まった。頭の軽い痛みも忘れた頃、お雪は食卓の上に巻紙を展げた。彼女は勉への返事を書いた。つい家のことに追われて、いそがしく日を送っている……この頃の御無沙汰も心よりする訳では無いと書いた。