Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふじ

富士

岡本 かの子

Lesen Sie 富士 (ふじ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

「こいつ等が、咽喉にうにょうにょして停滞しているときは、全く無作法な獣たちですね。私はそれが邪魔だから吐き出す。だがその度びに私から獣としてのいのちは吐き出されて行き、そのあとに果して人間のいのちが私に盛り上って来るか判りゃしません。いくらあの方が神仙の乳を飲まして下すったって……」

いうことがどういうふうに女に響くか窃視したのち、

「ねえ、お嬢さん。それで私はこの憎らしい、私を苦しめる痰を、吐き出すときに、一々、舌の上に載せて味ってやるんですよ。獣のいのちの名残りにしてそれには淡く塩辛いのもあり、いくらか甘くて――」

といいかけたとき、女は急いで袖を自分の鼻口に当て手を差し出して止めた。

「もういいもういい。話は判っててよ」

女は、この類いで、この若き獣神が生きとし生けるものの醜悪の底の味いを愛惜し、嘗め潜って来たであろうことを察して、悪寒のある身慄いをした。と同時に不思議や亀縮んでいた異性に対する本能の触手が制約の撻を放れてすくと差し延べられるのを感じた。

男は苦しく薄笑いしながら、

「じゃ、こんな話は止めにしましょう、だがね、お嬢さん、洞の外は、すっかり春でしょう。