Japanische Klassiker mit Furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Lesen Sie 富岡先生 (とみおかせんせい) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.282 Zeichen · 31 Bildschirme
校長の顔は見る見る紅をさして来た。その握りしめた拳の上に熱涙がはらはらと落ちた。侯爵伯爵を罵る口から能くもそんな言葉が出る、矢張人物よりも人爵の方が先生には難有いのだろう、見下げ果てた方だと口を衝いて出ようとする一語を彼はじっと怺えている。この先生の言としては怪むに足らない、もし理窟を言って対抗する積りなら初めからこの家に出入をしないのである。と彼は思い返した。
「エ、それともどうしても娘が欲しいと言うのか、コラ!」
校長は一語を発しない。
「判然と言え! どうしても欲しいと言うのか、男らしく言え、コラ!」
細川はきっと頭をあげた。
「左様で御座います! 梅子さんを私の同伴者に貰いたいと常に願っております!」きっぱりと言い放って老先生の眼睛を正視した。
「もし乃公が与らぬと言ったらどうする?」
「致し方が御座いません!」
「帰れ! 招喚にやるまでは来るな、帰れ!」と老人は言放って寝返して反対を向いて了った。
細川は直ちに起って室を出ると、突伏して泣いていた梅子は急に起て玄関まで送って来て、
「貴下何卒父の言葉を気になさらないで……御存知の通りな気性で御座いますから!」