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Japanische Klassiker mit Furigana

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てらだせんせいのついおく

寺田先生の追憶

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 寺田先生の追憶 (てらだせんせいのついおく) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.152 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど実験物理というものはこういうものかという気がした。

夏休み中、三十度以上の蒸し暑い狭い実験室で、毎日汗だくになって燃焼量と管の形との間の関係をグラフに作って暮した。HM君が横でむやみと瓦斯の炎をぶうぶうやるので閉口した。水道の水を冷却用に使っていたのであるが、水温が余り高くなってしまって用をなさなくなったこともあった。そういう日は勿論実験はお休みで、午後半日紅茶をのみながら無駄話をして遊び暮した。

先生は夏になると割合元気になると言いながら、どんな暑い日でも毎日一度は実験室へ顔を出された。胃が悪いと手脚が冷えて困るので、夏になると割合元気になるということをこの頃になって私も経験した。

先生は一わたり三つの実験を眺め渡して、一言二言ちょっと示唆的な注意を与えられる。それで指導の方はもうおしまいである。あとはヴァイオリンや三味線の話が出たり、幽霊や海坊主の話になったりした。先生はずっと前に尺八の音響学的研究をされて外国人を驚かされたことがあったが、引続いて三味線の方を調べたいという希望をずっと持っておられたのである。しかし三味線ときくと皆が尻込みをするので、適当な実験助手が得られなくてそのままになっていた。