Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちいさきなにも
小さき花にも
豊島 与志雄
Lesen Sie 小さき花にも (ちいさきなにも) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.115 Zeichen · 21 Bildschirme
その代り、朝は早く、雀の鳴き声といっしょに起き上ることとなる。
その、銀杏樹の雀の群れには、親雀もおれば、今年生れの小雀もいる。みんないっしょになって、ピイチク、チュクチュク、ピイチク、チュクチュク。うるさいな、と私は思ったこともあるけれど……おう、なにがうるさいものか。もっと鳴け、もっと鳴け。胸いっぱいに、声いっぱいに、もっと鳴け。よたよた飛んでる遅生れの小雀も、精いっぱいにもっと鳴け。私だって、もし雀だったら……。
今は黙っているけれど、センチになってるんじゃない。腹立たしいのだ。怒っているんだ。そしてどうやら、悲しいのだ。
手塚さんが郷里へ立つ日だった。朝早くの汽車だから、雀よりも早く起き上った。お母さんと姉さんは、手塚さんの幾食分かのお弁当を拵えている。私は二階へ行ってみた。
手塚さんがなんだかお気の毒で、お可哀そうで、と言っては生意気のようだけれど、どうしていらっしゃるかしらと思ったのだ。どの程度か分らないが、胸の御病気で、それに胆嚢もお悪いとかで、半年ばかり、瀬戸内海に面した郷里へ帰って、療養してくるとのこと。前夜は私、へんなことで帰りが遅くなったが、手塚さんは少しお酒を飲んだとか、ぽーっと頬を赤くしていた。