Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こねこはなにをしったか

小ねこはなにを知ったか

小川 未明

Lesen Sie 小ねこはなにを知ったか (こねこはなにをしったか) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.213 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

しばらく、あたりを見まわしていましたが、そこはどこであるか、かつて見たことのないところで、見当がつきませんでした。ねこは、急に、悲しくなったのです。そしてなにとは知らず、体がぶるぶると震えてきました。

夜の空を渡る風が、林に当たって、怖ろしい音をたてていました。人間の姿も見えなければ、なつかしい家の燈火ももれてきませんでした。ねこは、心細くなって、悲しい声をあげて泣きながら歩きました。

どこへいっても、暗い林がとり巻いている。そして、自分の泣く声は、空しく、しんとした夜の世界へ吸い取られてしまいました。いつしか、その声もかれてしまった。だんだん腹は空いてきた。ねこは、かつて、こんな悲しいめ、苦しいめに出あったことはなかった。いままでは、空腹ということを知らず、お嬢さんや、坊ちゃんたちにかわいがられていたことを考えると、それは、どんなに幸福なことであったろうか。

ようやくのことで、ねこは、狭い道の上へ出ました。その道は、どこから、どこへつづいているのかわからなかった。ねこは、しばらくそばの垣根の下にすくんで、なにか、聞きなれた物音でも耳にはいらないかと考え込んでいました。