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Japanische Klassiker mit Furigana

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つきとあざらし

小川未明童話集

小川 未明

Lesen Sie 小川未明童話集 (つきとあざらし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 9.033 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

おばあさんは、このめがねをかけてみました。そして、あちらの目ざまし時計の数字や、暦の字などを読んでみましたが、一字、一字がはっきりとわかるのでした。それは、ちょうど、いく十年前の娘のじぶんには、おそらく、こんなになんでも、はっきりと目にうつったのであろうと、おばあさんに思われたほどです。

おばあさんは、大よろこびでありました。

「あ、これをおくれ。」といって、さっそく、おばあさんは、このめがねを買いました。

おばあさんが、お金をわたすと、黒いめがねをかけた、ひげのあるめがね売りの男は、たち去ってしまいました。男のすがたが見えなくなったときには、草花だけが、やはりもとのように、夜の空気の中ににおっていました。

おばあさんは、窓をしめて、また、もとのところにすわりました。こんどはらくらくと針のめどに糸を通すことができました。おばあさんは、めがねをかけたり、はずしたりしました。ちょうど子どものようにめずらしくて、いろいろにしてみたかったのと、もう一つは、ふだんかけつけないのに、きゅうにめがねをかけて、ようすがかわったからでありました。

おばあさんは、かけていためがねを、またはずしました。