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Japanische Klassiker mit Furigana

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こゆびいっぽんのおおじあい

小指一本の大試合

山中 峯太郎

Lesen Sie 小指一本の大試合 (こゆびいっぽんのおおじあい) von 山中 峯太郎 (やまなかみねたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.932 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

と話したらしい。すぐにポールのブルがききつけて、カンカンにおこったのだ。いきなり、拳闘試合をぼくに申し込んできた。どうもしかたがない。「よろしい。やろう!」とぼくもすぐに返事した。すると、この試合の評判が、大学じゅうにひろがってしまった。大学でもポールの別の名はブルだ。そこで、

「ブルを小指一本で、日本人の内村が、投げとばすそうだ」という大評判なのだ。小指のことを、英語で「赤ん坊の指」という。大きな牛のようなブルを、赤ん坊の指一本でなげとばすというんだから、この大評判が、とうとう、新聞にまで出てしまった。いよいよ、大さわぎになって、ミス・ネールという金持ちのお嬢さんは、この試合に二十万円の懸賞を出すと、これまた新聞に書かせてしまった。なにしろブルは、拳闘の第一選手だ。いままでにも名前が知れてる。そのブルと赤ん坊の指一本の試合だ。そこへ二十万円の懸賞! さあもう、たいへんな人気だ。

ところが、ぼくは一時に有名になってしまって、なお弱った。和歌山中学で関口流の柔道を、初段くらいまでおそわったのだ。だから、ブルをこわがりもしないし、試合したって、三回が三回とも負けるとは思わない。