Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょうけい

小景

宮本 百合子

Lesen Sie 小景 (しょうけい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.323 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

山の手の住居の方から来る電車の停留場が其処にあった。

段々速力をゆるめて赤い柱の傍に来、車掌が街角の名を呼ぶと、どんな時でも少くとも三四人の者が、俄に活々した表情を顔に表して座席を立った。私もその裡に混り前後して降るのだが、又いつもきまって、後をふりかえり自動車が来ないか注意しているひまに、偶然の連れの姿は見失ってしまう。

私は、新聞売子が広告をはりつけた燈柱の下に立って、暫く四辺を見た。

時によると、さっさと車道を横切って彼方側、裁縫店の大飾窓の前に行く。或る日は、降りた側で左か右に方向をきめる。それは、私が其処に現れた時候と時間とによった。私は、顔の正面から日光に照りつけられては、半丁も楽に歩けないので、時に応じて日かげの側が選ばれるのであった。

溢れるような日光が硝子や招牌、旗などの上に漲っているのを一方に眺めながら、身は薄らつめたい、堅い、日かげの鋪道を歩いて行く心持よさは、何に例えよう。

私は、心持がすがすがしければすがすがしい程、先をせかなかった。

ずらりと並んだ商店の飾窓から二三尺の距離を保って、森の中でも散歩するような暢やかさで、眺め眺め進む。