Japanische Klassiker mit Furigana
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こいずみやくものかていせいかつ
小泉八雲の家庭生活
萩原 朔太郎
Lesen Sie 小泉八雲の家庭生活 (こいずみやくものかていせいかつ) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.379 Zeichen · 33 Bildschirme
そしてその悲哀の意味を知ってるものは、世界にただ二人の、妻と良人よりなかったのである。『家のパパとママとは、だれにも解らない不思議な言葉で、だれにも解らない神秘なことを話している』と子供が無邪気に言った言葉は、実際にもっと神秘な意味をもっていたのである。
ヘルン夫妻の結婚は、すべての点において特異であり、世の常の凡俗な夫婦関係とちがっていた。ヘルンにとっての夫人は、この世にただ一人の愛人であり、永久に『可愛い小さいママさま』であったと共に、またその仕事の忠実な助手でもあり秘書でもあった。日本字の読めないヘルンは、その『怪談』や『骨董』やの題材を、主として妻の口述から得た。怪談を話す時には、いつもランプの蕊を暗くし、幽暗な怪談気分にした部屋の中で、夫人の前に端坐して耳をすました。話が佳境に入って来ると、ヘルンは恐ろしそうに顔色を変え、『その話、怖いです、怖いです』といっておののきふるえた。夫人にとっては、それがまた何より面白いので、話がおのずから雄弁になり、子供に聞かすようにしてなだめ話した。
こうした夫婦の生活では、読書が妻の重大な役目だった。ヘルンが学校に行ってる間、夫人は暇を盗んで熱心に読書をし、手の及ぶ限り、日本の古い伝説や怪談の本を漁りよんだ。