Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Lesen Sie 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.249 Zeichen · 115 Bildschirme
追いかけて、パチパチと、銃の音があがった。
同時に、ころころと黒い影が、河原にころがりおちた。――と思うまもなく、またばったりと影がのめった。
誰と誰がどっちへ逃げて、誰と誰とがやられたかまるで見境いもつかなかった。河原の闇の中を必死に逃げ走る影を目がけて、不気味な銃声がしばらく谺していたが、やがてその影が消えて了ったかと思うと一緒に、ふつりと銃声もやまって、しいんと切ってすてたように、あたりが静まりかえった。
三
どの位経ったか、――それっきり河原は、音という音が全く死んで、そよとの水影さえも動かなかった。
逃げた影もおそらく遠くへ、と思ったのに、しかし突然、ぴちゃりと、沼の底のようなその闇の中から、水音が破れると、あたりの容子を窺っているらしい気配がつづいていたが、やがて太い声が湧きあがった。
「もうよさそうだな。――おい」
「…………」
「おいというに! 誰もおらんか!」
「ひとりおります。もう大丈夫でござりまするか」
「大丈夫じゃ、早く出ろ。誰だ」
「市原でごわす」
「小次か! おまえもずぶぬれだのう。もう誰もおらんか」
「いいえ、こっちにもひとりおります」