Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
お湯屋……髪結床……水茶屋……そこかしこで、圓朝の鳴物噺の噂がでていた。身振り可笑しくその真似をして女子たちを笑わせているお客を、湯屋の二階で見かけることも一再ではないようになった。
評判また評判。
二十一歳の春。
ついに待望の日がそこにおとずれてきた。
二
青山南町の久保本という中流の寄席だったが、そこから一月の下席、圓朝の道具噺を真打にして打ってみたいという交渉があった。
「…………」
圓朝の喜びは文字通り筆紙に尽せなかった。はるばる山手からその交渉にきてくれた瘠せた下足番の爺さんへ、心の中で手を合わせたくらいだった。よちよちかえっていく爺さんのこけた背中の辺りからは、キラキラ後光が映しているようにすらおもわれた。
青山南町なら、例の赤坂の宮志多亭へほんのひとまたぎであることも妙にうれしかった。
雷隠居だってきっとこの私の看板を見るにちがいない。
ただひとつ問題は寄席のほうから、スケを師匠の二代目圓生にぜひねがいたいと註文されたことだった。
「…………」
ハタと圓朝は困ってしまった。
まさか現在の師匠を只今不首尾になっておりますとはいえなかった。