Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
「エ、久保本、お前が下席を。ああいいともいいとも、そりゃめでたい、助けて上げるとも! 安心おし」
恐る恐るスケ一件を切り出すと案ずるより生むが易し、言下にこう快諾してくれた。
「ありがとうございます師匠。何分お願い申し上げます」
ホッと肩の荷の下りる思い。畳へ額をすれすれにして礼をいった。
ま、いいじゃないか、ゆっくり遊んでおいで――と珍しくたいそうな御機嫌で引き留められるのを昼席がありますからと断って表へでた。
いかにものどかな午後の日の中の山茶花垣のひとつづきを歩きながら圓朝は、こうトントン拍子にいくようでは、いよいよこから自分の運は拓けていくかな。
うれしくそうおもわないわけにはゆかなかった。
と、見ると一番まともに日を浴びている傍らの枯芝の上へござをひろげて、みるから人の好さそうな爺さんが赤い、黄色い、また薄青い唐辛子を干していた。ふっと圓朝はこのごろめっきり愚に返ってしまった父圓太郎の上をおもった。頭上で鳶がトロロと輪を描いている……。
……やがて久保本の初日がきた。
「困った」
圓朝は真っ青になってしまった。その初日の晩の楽屋だった。ニコニコ愛敬たっぷりに上がっていった師匠の圓生が、なんと今夜最終に圓朝自身鳴物や道具を遣って演るはずの「小烏丸」