Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
それだけにいよいよ当りが付かなかった。
珍しくこの下席は浅いところで早くからだが空いてしまうので、休みで家の手伝いをしている萬朝を連れてある晩、フラリと圓朝は寿亭へとでかけていった。夜風は肌に染みるが、もうめっきり空のいろが春めきを見せて、新堀かけての寺町ではどこからともなく早い沈丁花が匂ってきていた。腰屋橋渡って向こうの暗いゴミゴミした町角に、その寄席はあった。
スケ
「三遊亭圓生
三遊亭圓太」
の看板が、紫ばんだ夜気の中にオットリと微笑んでいた。
深く頭巾で顔を隠して圓朝たちは、中へ入った。八分がらみの入りだった。顔馴染の誰彼が、あとからあとからなつかしく高座へ上がってきた。つづいて、さらになつかしい師匠圓生が上がってきた。顔見られぬよう柱のかげへ身をよじらせて圓朝はそっとうれしく聴き入っていた。あとへでる初看板圓太の提灯をしきりに持って、未熟ではあるがどうか引き立ててくれと師匠はくどくど頼んだのち、ついてはあれが道具噺をいたしますから手前のところはあとと色の変りをますようお笑いの多いところをと、「にゅう」という与太郎のでる噺を相変らず地味な話し口ではあるが、克明に演って引き下がっていった、さすがに、相応以上に受けていた。