Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
阿母がでていってみると、万八の若い仕だった。金太郎武蔵の旦那が御朋輩と年忘れにきておいでなさる、すぐ飛んできて貰いたいというのだった。
永年のひいき先――着物があるもないもなかった。
「ヘイ只今すぐ伺います、どうかよろしく」
オドオドしている阿母の様子をおもって、ワザと元気に障子のこっちから声だけ掛けた。では何分お早く――とすぐ若い仕はかえっていった。
「いやだお前どうするお気だえ」
心配そうに阿母が入ってきて、
「近江屋さんへいってこの事情をいってちょいと一時高座着をだして頂こうか……」
「いらない、いや、いりませんよ阿母さん」
首を振って圓朝、
「だって芸人がそんな、あたみっともないそんなことは、……」
「だってみすみすお前なかったことには」
また心配そうに圓朝の顔を見た。
「いや、けれども」
もいっぺん首を振って、
「何とか、何とかなります」
「なりますたってお前」
「なりますったらなりますよ。大丈夫。阿母さんはそんな心配しないでも。ア、そうだ、それよかお使い立てしてすまないけれど表の小間物屋の娘さんの羽子板をひとつちょいと借りてきておくんなさいな」
呆気にとられてそのまま阿母は表へでていったが、やがて仇っぽい粂三郎のお嬢吉三の小さな羽子板かかえてかえってきた。