Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
異様な青黄いものがたちまち土間へころがった。
慈姑だった。最前の。
今度かえってくるようだったら、もう阿母さんはお前を家へ置きません、いいえ阿父さんが何とおっしゃっても。頼むからお前辛抱しておくれね。
泣いて、こう母親に意見されて、その次の日、次郎吉は練塀小路の肴屋魚鉄へ奉公にやられた。四十ちかいガチャ鉄と仇名される赤ら顔で大男のそこの主人は、三度の飯より喧嘩が好きで、一日にいっぺん往来で撲り合いをしないとお飯が美味しくたべられない男だった。左右の腕へ上り龍下り龍の刺青をした見るから喧嘩早そうな見てくれで、どこでも喧嘩をしなかったときは血が騒いでならないとて手鉤を持ってきては商売物の大鮪や大平目の胴体へ、所嫌わず滅多やたらにそいつをぶち込んだ。何条もって耐るべき大切の商売物、肉は崩れ、骨は飛び、一瞬にしてめちゃめちゃになってしまうのだったが、こうでもしなけりゃ俺夜っぴて寝られねえものと平気で空嘯いていた。
それほどの乱暴な男だったから、二十代の血気盛りの奉公人たちがみんな訳もなくチリチリしていた。そこへ次郎吉は奉公にやられたのだった。選りに選ってここなら大丈夫と、内々、母親が主人の気ッ風を探っておいてよこしたのだろう、さすがに次郎吉も今度ばかりは大人しく辛抱した。