Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
。それは恰も、糞を見ないうちは飯が喰えるけれども、一旦あの臭気を嗅いたら、胸がムカ/\して食えなくなるのと同様である、と云っている。
しかし、ひとり静坐してこう云う道理を考えたり変化の過程を想像したりするだけでは、なお十分に体得出来ない場合もあるので、時には人の屍骸の放置してある所へ出かけて行き、止観に書いてあるような現象の起るのを眼のあたりに見たりすることも、矢張一方法とされているのであって、前掲の中間僧はそれを実践していたのである。かの僧が夜なく山を抜け出して蓮台野へ行ったように、一度や二度でなく、何度も繰り返して屍骸の変貌するさまを観察し、壊相や、血塗相や、膿爛相を眼に馴染ませると、しまいには一室のうちにあって端坐瞑目したゞけで、それがまざ/\と見えるようになる。いや、それどころでなく、たとい衆人の眼には絶世の美人と映ずる婦人を拉し来っても、行者の眼には一箇の忌まわしい腐肉や血膿のかたまりとして映ずるようにさえなるので、修行の功を試すためには左様な美人を実際に連れて来て眼の前に据えつゝ観念を凝らすことなどもあると云う。で、そう云う功を積んだ行者がひとたび不浄観を行ずると、生きた美人がひとり行者自身の主観に醜悪に映ずるばかりでなく、第三者の眼にまでそう見えるようになる。