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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、突然つかぬことをお聞きするようだけれど、あの、帥の大納言の北の方な?………」

「はあ、はあ」

平中はそう云って、まだ薄笑いの消えやらぬ時平の顔を不思議そうに視つめた。

「あの北の方を、あなたは知っておられるであろうな」

「あの北の方………でございますか」

「そんなにお恍けなさらずと、知っておられるなら知っていると、正直に云って下さるがよい」

平中がどぎまぎしている様子を見て、時平は一層膝をすゝめた。

「不意にこんなことを云い出して、変にお思いかも知れないが、あの北の方は世に稀な美人だと云う噂があるが本当かな?………なあ、これ、お恍けなさるなと云うのに。………」

「いえ、恍けてなんぞおりは致しません」

懸念していた侍従の君のことではなくて、思いも寄らぬ人のことが問題になっているのだと分ると、平中は先ずほっとした。

「これ、知っておられるのであろうな」

「いえ、………どう致しまして」

「いかん、いかん、隠してもちゃんと種が上っています」

二人の間にこんな工合な問答が交されるのはそう珍しいことではなかった。いつも時平が冷やかしにかゝると、最初のうちは存じませんの一点張りで、しらを切る平中なのであるが、だん/\深く問い詰めると、結局「知らないでもない」