Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
と、左様に仰っしゃっておいでになりまして、三箇日のうちには必ず参上致すからお含みおきを願うようにと、申し付かって参りました」―――使者はそう云って帰ったのであったが、此の申越しはいやが上にも国経を驚喜せしめた。事実、時平が此の大納言の所へ年頭の礼を述べに来るなどゝ云うことは、嘗て前例がないばかりでなく、前代未聞の事件と云っても差支えない。此の恵み深い青年の左大臣は、一門の年長者たるの故を以て一介の老骨に結構な財宝をあまたゝび贈ってくれた上に、今度は自身その邸宅に駕を枉げると云う光栄を授けてくれるのである。―――ありていに云うと国経は、先達から左大臣の測り知られぬ温情に対して何がな報いる道はないだろうかと、寝ても覚めてもそのことを気に懸けていた矢先であった。そして、大臣の邸とは比べものにならない手狭な館ではあるけれども、一夕我が方へ臨席を仰いで饗宴を催し、心の限りもてなしをして、感謝の念の萬分の一でも酌み取って貰えないであろうかと云うことも、考えないではなかったのであるが、なか/\大納言風情の所へなど来てくれそうな人ではないので、申し出ても無駄であろう、却って身の程を弁えぬ失礼な奴と、物笑いになるだけであろう、と、そう思って差控えていた際であったのに、図らずもその人が自ら望んで客人になろうと云い出したので