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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

その四

「あッはゝゝゝゝ」

「玲瓏々々老いたるを奈何にせん」

と、老人が又白詩を唱えた。

二三人の公卿たちが代る/″\立って舞い出した頃から、宴はだん/\闌になって行った。春とは云ってもまだ冬の感じの、うすら寒い宵であるのに、此処ばかりは陽気に花やいで、笑い声と歌声と歓語の声が沸き返り、人々は皆上衣の襟を外したり、片袖を脱いで下着を出したり、行儀作法を打ち忘れて騒いでいた。

その四

主人の妻、大納言の北の方はこう云う座敷の有様を、御簾のうちにいてさっきから隙見していた。初めのうちは、客人の席のうしろを囲っていた屏風が邪魔になって見えにくかったのであるが、故意にか偶然にか、追い/\騒ぎがはげしくなり、人々が起ったり居たりするにつれて、その屏風の端が少しずつ畳まれて行き、斜かいに開いたので、今は左大臣の姿形がほゞ正面に見えるようになった。御簾越しにではあるけれども、左大臣はついそこに、北の方とはなゝめに畳三四畳を隔てたあたりに、此方を向いて坐っているのが、ちょうどその前に燈台が据えてあるので、残るところなく分るのであるが、色白のふっくらした顔が酔いのために紅く火照っていて、眉の附け根をとき/″\癇癖が強そうにふるわせるくせはあるけれども、笑うとひどく愛嬌があって、眼もとや口もとに子供のような無邪気さが溢れる。