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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

「と仰っしゃいますと、外に何ぞ御所望の品がおありでしょうか」

「それをわたくしに云わせないでも、何かそちらにお心あたりがありそうなものじゃありませんか。―――ねえ、御老体、そう物惜しみをなさるなよ」

「物惜しみとは心外な! 愚老は何とかして日頃の御恩報じがしたい、御満足が得られますなら、どんな物でも差上げたいんです」

「どんな物でも! ですか、あッはゝゝゝゝ」

と、時平は体を仰け反らして、さすがにいくらか照れ臭いらしく、例の豪傑笑いをした。

「でははっきりと申しますぞ」

「どうぞ/\」

「もしほんとうに、あなたが口で仰っしゃるように、私の日頃の好意に対して、感謝しておいでになるならば、―――ですな。―――」

「はい、はい」

「あッはゝゝゝゝ、なんぼう酔っ払っておっても、ちと物狂おしいようで、此の先は申しにくい」

「そう仰っしゃらずに、どうぞ/\」

「それは私の館には勿論、やんごとない九重の奥にさえないもので、御老体のお手もとにだけあるもの。―――御老体に取って命より大切な、天にも地にもかけがえのないもの。―――箏のことだの、馬なんかとは比較にならない宝物。―――」

「そんなものが愚老の所にございましょうか」