Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
まだ道真が朝にあって、時平と二人で政務を見ていた頃のこと、いつも時平がひとりで非道に事を処理して、道真に嘴を入れさせないので、某と云う記録係の属官が一計を案じ、或る日文案を文挟みに挟んで左大臣の前に捧げて行き、それを時平に渡そうとするはずみにわざと音高く放屁をした。時平は途端に噴き出してわッは/\腹を抱え始めたが、いつ迄たっても笑いやまず、体がふるえてその文案を受取ることが出来ないので、その間に道真が悠々と事務を執り、思いのまゝに裁断を下した、と云うのである。
時平は又なか/\勇気があった。道真の死後、その霊が化して雷神となって朝臣に讐をすると信ぜられていた時分、或る日清涼殿に落雷して満廷の公卿たちが顔色を失った折に、時平は凜然と太刀を引き抜いて大空を睨み、「あなたは生きておられた時にも私の次の位だったではないか、たとい神になられても、此の世へ来られたら私を尊敬なさるのが当然ですぞ」と叱咤したので、その威勢を恐れたかのように、雷鳴が一時静かになった。されば大鏡の作者も、いろ/\悪いことをした大臣ではあったけれども「大和魂などはいみじくおはしましたるものを」