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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねん

少年

芥川 竜之介

Lesen Sie 少年 (しょうねん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.225 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

父は葉巻を啣えたまま、退屈そうに後ろに佇んでいる。玩具屋の外の往来も不相変人通りを絶たないらしい。主人も――綺麗に髪を分けた主人は小手調べをすませた手品師のように、妙な蒼白い頬のあたりへ満足の微笑を漂わせている。保吉は急にこの幻燈を一刻も早く彼の部屋へ持って帰りたいと思い出した。……

保吉はその晩父と一しょに蝋を引いた布の上へ、もう一度ヴェネチアの風景を映した。中空の三日月、両側の家々、家々の窓の薔薇の花を映した一すじの水路の水の光り、――それは皆前に見た通りである。が、あの愛くるしい少女だけはどうしたのか今度は顔を出さない。窓と云う窓はいつまで待っても、だらりと下った窓かけの後に家々の秘密を封じている。保吉はとうとう待ち遠しさに堪えかね、ランプの具合などを気にしていた父へ歎願するように話しかけた。

「あの女の子はどうして出ないの?」

「女の子? どこかに女の子がいるのかい?」

父は保吉の問の意味さえ、はっきりわからない様子である。

「ううん、いはしないけれども、顔だけ窓から出したじゃないの?」

「いつさ?」

「玩具屋の壁へ映した時に。」

「あの時も女の子なんぞは出やしないさ。