Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おくじょうのきょうじん

屋上の狂人

菊池 寛

Lesen Sie 屋上の狂人 (おくじょうのきょうじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.649 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

末次郎 あんなかたりの女子に神さんが乗り移るもんですか。無茶な嘘をぬかしやがる。

およし 私は初めから怪しいやつじゃ思うとったんや、神さんやったらあななむごいこというもんけ。

義助 (なんの主張もなしに)そら、そうやな。でもな末! お前、兄さん一生お前の厄介やぜ。

末次郎 何が厄介なもんですか。僕は成功したら、鷹の城山のてっぺんへ高い高い塔を拵えて、そこへ兄さんを入れてあげるつもりや

義助 それはそうと、義太郎はどこへ行ったやろ。

吉治 (屋根の上を指しながら)あそこへ行っとられます。

義助 (微笑して)あいかわらずやっとるのう。

(義太郎は前の騒動の間にいつの間にか屋根へ上っていたらしい。下の四人、義太郎を見て微笑を交う)

末次郎 普通の人やったら、燻べられたらどなに怒るかも知れんけど、兄さんは忘れとる、兄さん!

義太郎 (狂人の心にも弟に対して特別の愛情があるごとく)末やあ! 金比羅さんにきいたら、あなな女子知らんいうとったぞ。

末次郎 (微笑して)そうやろう、あなな巫女よりも兄さんの方に、神さんが乗り移っとんや。(雲を放れて金色の夕日が屋根へ一面に射しかかる)ええ夕日やな。