Japanische Klassiker mit Furigana
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したいとみんぞく
屍体と民俗
中山 太郎
Lesen Sie 屍体と民俗 (したいとみんぞく) von 中山 太郎 (なかやまたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.651 Zeichen · 8 Bildschirme
しかしながらこの民俗は今に親族の親疎を言い表す語となって残っている点からも、在りし昔の事実が窺知される。即ち琉球では死人の肉を食うべき権利――であると同時にまた義務でもあった――を有する者を骨肉親族と称して、その家に対して重大なる交渉を有し、これに反して死人の肉を食うことの出来ぬ者を脂肪親族と云うて、その家からはやや疎遠の地位に置かれているのである。人肉を食うか否かで親族に等級があったのである。
静岡県の沼津近在の村々、及び同県賀茂田方二郡の村落では、死人を焼いた骨を、遺族または親族の者が噛じる民俗が今に行われている。先年故人となられた皇典講究所の講師青戸波江翁の女が沼津在に嫁して居られたが、不幸にも病死されたので翁も葬儀に列すると、火葬場において会葬の遺族や親族が、死んだ女の骨を噛じるのを見た翁は大いに驚き、その理由を訊ねると同時に、かくの如き所為は死者に対して失札であると詰ると、会葬会者の答えに、これは決して左様な失礼の意味ではなく、死なれたお方が温順で貞淑で、如何にも婦人の鏡とも云うべき為人であったから、せめてはそれに肖かるようにこうするのだと言うたと翁が語られたことがある。