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Japanische Klassiker mit Furigana

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びょうぶはたたまれた

屏風はたたまれた

山本 周五郎

Lesen Sie 屏風はたたまれた (びょうぶはたたまれた) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.953 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

伴れてゆかれたのは二階のいちばん奥で、女中が声をかけて襖をあけたとき、弥十郎は初めてどきっとした。

――いたずらなら笑って済ませる。

そうだ、と彼は思った。いたずらなら却っていい、本当だとするとこと面倒になる、これはしまったぞと思った。しかし、襖をあけた女中は去り、中年の婦人が彼に挨拶をしていた。

「ようこそ」と婦人が云った、「ようこそおいで下さいました、人の眼につくといけません、どうぞおはいり下さいまし」

弥十郎がはいると婦人は襖を閉め、設けの席を彼にすすめた。

婦人は自分がゆきであると名のり、ぶしつけの詫びと、来てくれた礼を述べながら、巧みなとりなしで彼に着替えをさせた。彼は着替えなどするつもりはなかったが、あまりに相手のとりなしが巧みで、拒む隙もなかったのである。そして、着替えが済むとすぐに、隣り座敷の襖をあけて、弥十郎を押しやるように、その座敷へはいった。そこは十帖ばかりの広さで、雨戸が閉めてあるのだろう、立て廻した屏風を、雪洞がほのかに照らしており、すっかり夜のけしきになっていた。

「お嬢さま」と婦人が屏風の中へ呼びかけた、「吉村さまがいらっしゃいました」