Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのてのこ
山の手の子
水上 滝太郎
Lesen Sie 山の手の子 (やまのてのこ) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.551 Zeichen · 31 Bildschirme
息も出来ないで夢中に木立を抜けた私は縁側から座敷へ馳け上ると突然端近に坐っていた母の懐にひしと縋って声も惜しまずに泣いた。涙が尽きるまで泣いた。
ああ思い出の懐かしさよ。大人になって、偉い人になって、遊びに行くと誓った私はお屋敷の子の悲哀を抱いて掟られ縛められわずかに過ぎし日を顧みて慰むのみである。お鶴はどこにいるのか知らないが過ぎし日のはかなき美しき追想に私はお鶴に別れた夕暮、母の懐に縋って涙を流した心持をば、悲しくも懐かしくも嬉しき思い出として二十歳の今日もしみじみと味わうことが出来るのである。