Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまのてのこ

山の手の子

水上 滝太郎

Lesen Sie 山の手の子 (やまのてのこ) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.551 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

その草の中にスクスクと抜け出た虎杖を取るために崖下に打ち続く裏長屋の子供らが、嶮しい崖の草の中をがさがさあさっていた。小汚ない服装をした鼻垂らしではあったが犬のように軽快な身のこなしで、群れを作ってほしいままに遊び廻っているのが遊び相手のない私にはどんなに懐かしくも羨ましく思われたろう。足の下を覗くように崖端へ出て、自分が一人ぼっちで立っていることを子供らに知ってもらいたいと思ったがこちらから声をかけるほどの勇気もなかった。全く違った国を見るように一挙一動の掛け放れた彼らと、自分も同じように振舞いたいと思って手の届くところに生えている虎杖を力充分に抜いて、子供たちのするように青い柔かい茎を噛んでも見た。しくしくと冷めたい酸っぱい草の汁が虫歯の虚孔に沁み入った。

こうしたはかない子供心の遣瀬なさを感じながら日ごと同じ場所に立つお屋敷の子の白いエプロンを掛けた小さい姿を、やがて長屋の子らが崖下から認めたまでには、どうにかして、自分の存在を彼らに知らせようとする瓦を積んでは崩すような取り止めもない謀略が幼い胸中に幾度か徒事に廻らされたのであったがとうとう何の手段をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を見つけてくれたが偶然上を見た子が意外な場所に佇む私を見るとさもびっくりしたような顔をして仲間の者にひそひそ