Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのあき
山の秋
高村 光太郎
Lesen Sie 山の秋 (やまのあき) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.435 Zeichen · 15 Bildschirme
わたくしもよく方々の農家から小豆餅やなまり節などをもらった。例の白いのもさかんにのまれる。この白いのはうまく出来たのは何ともいえずうまく、甘味と酸味とがよく調和して、やわらかでしかも強く、囲炉裏のわきでひとり静かに茶碗でのむ趣はまことに最上の法楽であるが、又これの出来そこないとなると実にすごい。思いきり酸ぱく、しぶく、しかも度が強くて、のむと腹の中がじりじりと焼け、胃の中でまだ醗酵をやめないのでさかんにおくびが出る。そんなのでも村の人たちは酔を求めて浴びるようにのむから、山村の人たちの間では胃潰瘍が非常に多い。胃ぶくろに孔があいて多くの人が毎年死ぬ。酒なしには農家の仕事は出来ず、清酒は高くて農家の手が届かず、やむを得ぬ仕儀ということである。
いったいに農家の酒ぶるまいというものは徹底したもので、まずその家によばれると、いちばんさきに軽い御飯が出る。いろりのへりで、みそ汁につけものぐらいで一、二杯飯をくう。そして煙草をのみながら客同士が雑談にふける。その時間が相当に長く、よばれた時間から大てい三、四時間は遅れるが、その間に頭数が揃ってくるのだ。やがてお膳がずらりと並んで席がきまると例の通りの盃のやりとりが儀式のように始まり、それがだんだん乱れて来て、席から立って大きな銚子と、外の黒く、内の赤いうるし塗の大きな