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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまおもうこころ

山想う心

松濤 明

Lesen Sie 山想う心 (やまおもうこころ) von 松濤 明 (まつなみあきら) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.652 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

古いノートを繰って見ると、その当時果たしたいと思ったスケジュールがずらりと書きつらねてある。年少ない頃は、世に困難とか不可能とか言われる登攀を、なんとかして自分の手で果たしてみたいと思う心が強かった。私はそれを恥ずべき心とは思っていない。否、むしろかような情熱が衰えていくことこそ警戒すべきものと思う。何事によらず、先人を凌ごうとするこの種のヒロイズムこそ、人類をして今日あらしめたと感ずるからだ。古いスケジュールのかなりの数はすでに実行したし、残っているものも、中には今ではとても真面目に考える気のしないものもあるが、多くは依然魅力を保っている。おそらく、自ら実行する可能性のある限り、これらは私の胸中に止まって、私を山へ駆りたてるであろう。ここに働くものを、人間の文化創造の本能と呼んではいけないだろうか。

しかし、やることにいくら意義があると思っても、行く山が好きでなくては、結局われわれは行かないのである。と言うことは、山想う心が一次的には常に山そのものに対する愛着だということを意味する。この戦争で故人となったが、前穂北尾根又白側に輝かしい足跡をとどめたM高のY君が、かつていみじくも洩らした言葉――山男はロマンチストだ――は、この辺の事情を物語る一つの感懐であろうが、私はこれを人間性の最も素朴な要素である