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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうじん

山月記・李陵 他九篇

中島 敦

Lesen Sie 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.608 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

黒鯛ほどの大きさで、太く鮮やかな数本の竪縞を有った魚が一番多く、岩蔭の孔らしい所から頻りに出没するのを見れば、此処が彼らの巣なのかも知れない。この外に、透きとおらんばかりの淡い色をした・鮎に似た細長い魚や、濃緑色のリーフ魚や、ひらめの如き巾の広い黒いやつや、淡水産のエンジェル・フィッシュそっくりの派手な小魚や、全体が刷毛の一刷のようにほとんど鰭と尾ばかりに見える褐色の小怪魚、鰺に似たもの、鰯に似たもの、更に水底を匍う鼠色の太い海蛇に至るまで、それら目も絢な熱帯の色彩をした生物どもが、透明な薄翡翠色の夢のような世界の中で、細鱗を閃かせつつ無心に游優嬉戯しているのである。殊に驚くべきは、碧い珊瑚礁魚よりも更に幾倍か碧い・想像し得る限りの最も明るい瑠璃色をした・長さ二寸ばかりの小魚の群であった。ちょうど朝日の射して来た水の中に彼らの群がヒラヒラと揺れ動けば、その鮮やかな瑠璃色は、たちまちにして濃紺となり、紫藍となり、緑金となり、玉虫色と輝いて、全く目も眩むばかり。こうした珍魚どもが、種類にして二十、数にしては千をも超えたであろう。

一時間余りというもの、私はただ呆れて、茫然と見惚れていた。