Japanische Klassiker mit Furigana
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やまつばき
山椿
山本 周五郎
Lesen Sie 山椿 (やまつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.911 Zeichen · 32 Bildschirme
良三郎は両手を膝に突き、面を俯せて泣きはじめた、初めて彼は泣きだしたのだ。
「二年やってみろ、その証拠を見たら、おれが墓の前へつれて行ってやる、二年だ、もし今の決心が嘘でないなら、もし貴様に幾らかでも人間らしい気持があるなら、――いいか、二年のあいだにその証拠をみせるんだ、生きている者はごまかせるが、死んで魂になったものはごまかせないぞ、……それだけは忘れるな」
御殿改築は藩主の帰国に辛うじて間に合った。結果はかなり上首尾で、その係りの者には褒賞さえ下った。――然し費用の点がずいぶん無理があったから、そのあと始末に五月いっぱいかかり、ようやく凡てが終ると季節はもう夏だった。
梶井の家にはまた人が来はじめた。主馬はよく人に隠れて宗泰寺へ墓参にゆくが、日常は快活できげんがよかった、これまでのどの時期より明るい顔で、酒のときなどには、みんなと一緒に笑うことが珍しくなかった。――みちも相変らずである、此の頃は従兄がむずかしい眉を見せないので、いっそう起ち居が浮き浮きとしている。そして時どき例のふしぎな証明を出して人を笑わせる。……ちょうどみんな集まって飲んでいたとき、星空なのに遠雷が鳴りだした、みちは縁先にいたのを急いで座敷へはいって来た。